光梨 2022-03-09 19:01:29 |
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帰路までの通路の指示を受けながらその通りにハンドルを切っていると一度信号に捕まった。ブレーキを踏んで停ると謝罪や楽しかった、満足しているという感想の旨。そしてこれ以上謝りの類を口にすれば仕返しに連れ回してやると告げられたが、こちらとしては構わないなと思いながらも「了解した、気をつけるとしよう」と僅かに笑ったタイミングで信号機が青に変わる。車を再び進めて彼の家へと近づいていくが、なんとなく心苦しく感じるのはなぜなのか……ハンドルを握る指に知らずのうちに力が入って、頭では気がつけば彼を引き止める方法を探している。他愛のない会話をしていても何も話していない時間でさえも随分と心地が良いと感じるのは、恐らく友人以外の何かを感じているのだろう。そうぼんやりとした感情の輪郭を掴み損ねた後にとうとう目的地に到着してしまったらしく、アパート前の路肩に停車させ
「私も…とても有意義な時間であったと思っている。あまり期待はしていないがキミからの誘い楽しみに待っているぞ。
そして、私の礼も終わりではないからな。今度はしっかり手順を踏むので待っていてくれ」
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