三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「確かにねー....やっぱりやっちゃおっかな!やらない後悔よりやる後悔よ。もしかしたら、先人が居なかったりしたら、入学後になんでやらなかったのかって後悔するし!........退学になったら、とりあえず入れ直して貰えるように謝って土下座するか!まぁ...あの子に関してはほんと気の毒だよねぇ...変なあだ名とかつけられそー...」
(確か、孤児院の去り際にライターを持っていたはず。それだけでは弱いか?傷口消毒用のエタノールなら、確かトランクに入ってたな、それをポケットに隠しておこう。)
僕はエリオットくんに向けて苦笑し、脅す気満々で作戦を企て、トランクの中にあるエタノールの小瓶をコートに、周りからバレないように忍ばせた。
エリオットくんは呼ばれ、周りはざわついた。まぁ名家な貴族出身って事だし、仕方ないだろうな。彼は椅子に座り、帽子が乗せられれば、唸り出した。どうやら、エリオットくんは思っていたより出生だけじゃなく、才能にも恵まれた人間だ。
(絵に描いたような神とやらに恵まれた人間だな)
組み分け帽子の言葉に僕は更にエリオットくんに興味を引き立てた。この少年は近い将来、なにか周りに大きな影響を齎しそうだなと直感で感じた。
(英雄になったりするんじゃない?まぁ、彼が何をしても、僕には関係ないか。)
のうのうとエリオットくんが英雄になったリした姿を想像して居たら、どうやらエリオットくんの組み分けはもう終わって、次は僕の番だ。彼は僕にアイコンタクトをし、僕もにっと自信に満ちた笑顔を向け返し、前に出た。大衆に向けている椅子に腰掛け、帽子を載せられた。
『ほう.....?私を脅すつもりかね!』
まだ何も言っていないし、考えていない僕は、帽子に脅すことを暴露されてしまった。だがまぁ想定内だ。あんなに面白い帽子が、こんな突飛な考えを持つ生徒の思考を周りに暴かない訳ないだろう?もし僕が帽子の立場なら、僕もそうするであろう。周囲がざわつき始め、教員一同は僕に警戒の目を向けだした。僕は瞬時にコートの中からエタノールを取り出し、器用に蓋を開ければ自分ごと帽子にエタノールを被せた。帽子は僕の頭から離れ、僕は椅子から立ち上がる。ぽたぽたと、頬に滴るエタノール、噎せ返る様なアルコールの匂いにも構わず僕は
「おっと...!手が滑っちゃった!」
てへっ!やっちゃいました!と言わんばかりにからからと笑う。教員のひとりは杖を持ち、僕に術を掛けて押さえようとするのを見えたが、別の教員に停められているのが見えた。まぁ押さえつけられてもおかしくない。何せもう盛大にやらかしてる自覚はあるし、いつ追い出されてもおかしくない。
「やだなぁ~?脅しじゃないんだよぉ~、『お願い』をするつもりなんだァー!」
『....ふむ。そのお願いとやらは、聞かないとライターで、燃やされると言う事かね?それだと君も巻き込んでしまうよ?』
僕はライターの事を出されてから、それを取り出し、カチカチと鳴らしながら火をつけたり消したりして遊び
「あ、これの事?これはねぇー、寮のロウソクに火をつける為に持ってきたんだァ!ほら見てよ。中々に綺麗でしょ?包装が。」
とライターを帽子に近づけた瞬間
「エクスペリアームス!!!!」
と先程から僕に杖を向けてた教師が呪文を叫び、ライターを吹き飛ばした。幸いな事に、火は付けてない状況だ。
「っ!!.....危ないなぁー。一歩間違えてたら、大火事になってましたよ、せんせぇ」
僕は先程の教師に目は笑わず、口角だけ上げて、ライターも拾わずにそう言った。周囲が段々と緊迫した空気になっているのがわかる。だが初めてしまったものなのだから、最後までケジメはつけないと行けなくて、続けて帽子に問う
「んーとねぇ、僕はスリザリンに入りたいんだよねぇー。さっきさぁ、初めてできたばっかのおトモダチがスリザリンに入ってったからさ。僕もスリザリンに入れてくれない?」
『...ふむ...そんな無謀な事をしてまで、そのお友達.....とやらと一緒に居たいのかね?最悪の場合、スリザリン所か退学になってしまうよ?そんなリスクを負ってまで、一緒に居たいのかね?』
「だからァー、脅しじゃないって!お願いだよ、お願い!...ねぇ?」
(もう何となく冗談にしては度が過ぎてきたのは感じるし、ここからは色んな可能性が出て来るだろうな。たまに予測できないやつが来るかもだけど、その時はなる様になるだろ!教員に押さえつけられて退学か、脅されてスリザリンに入れてくれるか、若しくは怒らせて別の寮に入れられるか....)
僕は可能性を予測していると、帽子は少し間を開けてから、重い口を開きこう言った
『...その狡猾な思考、巧みな話術、如何なる事でも手段を選ばず目的を達成させる精神。君こそスリザリンに相応しい!良かろう!スリザリン!!!』
どうやら何とか無事スリザリンに入れてくれるらしい、僕はパァっと嬉々として
「やったぁー!ありがとう、愛らしい帽子さん!」
礼を述べ、ベルトに掛けてあるワンドケースから杖を取り出した。教員側がまたザワっとしたのを見たが
「あぁ、大丈夫!別に燃やさないよ?レベルテ!...元に戻すだけだよ!ずっとエタノールの付いた帽子さんも可哀想だけど、後ろの子達にもエタノールがついちゃうとかも、可哀想でしょ?折角の人生に一度の、ホグワーツでの入学式なんだから!」
ケラケラと笑っては予習で学んだレベルテを使い、エタノールのついてない元の状態に戻してから、スタスタとエリオットくんの後ろに戻って行った。全員拍手を忘れて『狂ってやがる』だのなんだの、良い評判では無い事をほざいて居るみたいだが、まぁ僕自身は面白いの体験できたから全て良し!これで目をつけられてもおかしくないが、まぁ、その時はその時だ。僕はエリオットくんに
「いやー、なんかちょっとやりすぎた気がするけど、これで何とか同じ寮に入れるね!これから宜しくね!」
と背中をポンっと叩いてそう言い
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