三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「学校の敷地内になくても、禁じられた森とかさ、ありそうじゃない?いやぁでも、実は学校の誰かが、許可もなく苗だけでも庭に植えてたり?どれほど学院の規模が大きくても、さすがにここまでテロみたいな...どうも非現実的な話。身近になさそうだけど、ありそうだよねぇ...。故意に閉じ込めてくるような人達なら、やっぱり絡んできたブライアンくんと...グレイソンくんあたりありそうだねぇ...。一体僕達の何を恨んでるのか気になる所だけど...。災害は人の想像を超えてくるからね、予想しようがないよ。」
同意を示すようにこくこくと頷き、
「ハナハッカ・エッセンス!確か効率的に傷を癒せる薬だっけ?確かにそれ持った方が安全だね!魔法使えなくても、魔法薬だから大丈夫か!...でもハナハッカ・エキスって結構お高めじゃない?学生が気軽にポンポン買える額ではないってどっかで聞いたような...。」
流石に飛躍し過ぎかとは少しだけ思うけど、魔法界とは少ししか馴染みのない僕にとって結構難しい話だ。でもマグル界も魔法界も、必ずしも毎日毎日、自分の命が危険に晒される事はないと思う。そこまで治安が悪いと、もう多分世界の終わりの時や、誰かに追われてる時ぐらいだと思う。僕は別に罪を犯してないし、今の所事件は落ち着いてるみたいだし、僕が誰だと知る人は余り居ないと思う。でも、何かあった時何も出来ない程悔しいものは無いんだ。大切な人を守れなかった無力さは痛い程感じた。なら未来の自分にまた過去の自分の様な思いをさせない為には、今の己を高めるしかない。ハナハッカ・エキスは確か迅速かつ安全に傷を癒やす効力がある薬、でもお値段お高めなの何点だなぁ...孤児院がそんなお金出す訳ないし、そもそも出させたくない。あの孤児院はおかしい。宗教団体がスポンサーという点は別におかしいとは思わないし、窓には鉄格子がついてたりもまだまだ理解が可能だけれど、異常なまでに孤児達の居場所を把握出来てる事はおかしいと思う。例えばそう、先生が誰かを探す時にすぐ様に見つけれて、子供たちの話したプライベートな会話全てを知ってるようで、二十四時間ずっと子供たちを監視してる様な気がするんだ。別に孤児院が狭いという訳じゃないし、監視カメラも隠しカメラも見当たらなかったし、壁も薄いわけじゃない、むしろ分厚い。少し気味が悪い。その他にも少し気になる点はあるし、できる限り早くシャーロットを連れてって関わりを切りたい。
「あー...そうだねぇ、昔うちがちょっとした誤解でとかなりこっぴどく他所んちとモメたりしたなぁって思い出してねぇー。もし学校に悪い子ばかりだったら、この学校もう学校じゃなくなるしねぇ...もうお互いの命や持ち物奪い合う戦場になっちゃうよ!」
エリオットくんにまるで冤罪掛けられた事あるような口振りだと言われて、僕は咄嗟に失言に気づいてはそう言って。嘘は言っていない、過度に控えめに言ってみたけど...まぁ、これぐらいが丁度いいんだよ。僕はケラケラと冗談気味には笑っては
「シャンデリアは....イタズラや冗談で済まされないと思う。しかも、古いとはいえ、かなり立派な奴だし...かなりお値段も高いと思う。これは...滅茶苦茶やばい...。殺されるって...エリオットくんのお父さんって怒るとそんなに怖いの?冤罪なんだし...話せばわかってくれそうにないの...?」
"殺される"という単語を使うなら、それほどに怖いお父さんなんだろうなとわかる。いいお家出身なら、家名を背負わないと行けないが故に責任も絶大だろうし、そりゃ厳しくしないと行けないだろうし、仕方がないか。でもこれは冤罪だ、エリオットくんのお父さんも一人の父親ならきっと言えばわかってくれるんじゃない?いや、実は人の話を聞かない毒親という可能性も捨てられない。その場合は本当に大変だな...ご愁傷様としか言えない。他所んちに足突っ込むのはあまり良くないしね。せめて僕だけでも事実は知ってるから、例え彼が傷ついても少しだけマシにできるといいけど。
「っ!うおぉっと!」
僕の手を取ったまま走り出したエリオットくんに僕はそのいきなり勢いについていけなくて、転びそうになったけど、何とかバランスを取れて彼と廊下を駆け抜けて。運動はどうか分からないけれど、体力だけなら人並み以上にある自信はある。父さんが逮捕されて、母さんの仕事に付き合わなくて良い日はシャーロットをお世話しながら、働けそうっていうか...力仕事を手伝わせて貰えそうな所を探して、運が良ければ数ペンスぐらい稼ぐことだった。お陰で体力はついたりしたし、偶にパン一切れ貰ったり出来た。母さんの仕事場に行く時はスラムの子供達を攫ってそういう事しようとする少年性愛の男もいれば、闇市の人身売買や臓器売買目当てで近づいてくる大人も居た。そして攫われていく子供たちも見た事あるし、そして大人に解放される場面を見たりもした。一番印象的なのは両目を失った、今のシャーロットと同じぐらいの少女が、100万の紙幣と言う名の、ただの分厚い札束のようなサイズの紙の束握らされて、僕に今から親の元に帰るんだと浮かれてた伝えられた事だな...。だけれど、僕は、今生きてここに居る。もう二度とあんな場所に戻ることは無い。得た体力と学んだ事を活かして生き残らないと。エリオットくんが僕を連れて、角に辿り着けば、息を切らしながら僕の心配をしてきた。
「んーん、全然大丈夫だよ。それよりそっちの方が大丈夫?噎せちゃった?」
僕はそう言って、咳き込むエリオットくんの背中をさすって聞いてみて。お坊ちゃまは体力が無いらしい。まぁ、驚くべきことでは無いし、何となく予想は出来る。そう聞いてくる当たり、エリオットくんは強く握ってると思ってるのかな。失礼だけれど、寧ろあれがもし全力なら心配するよ...?走ってきた距離もそこまで遠くないしね...噎せるほど息切らしてる。...うん、流石に貧弱だって本人に言うのは失礼が過ぎるから...言わないでおこう。でも体力ないせいで怪我とかしないといいけど...運動ある時は出来るだけ気にかけてよ...。
『ぴ..ぴぃ...』
エリオットくんに撫でられても緊張が解れなくて、まだまだプルプルと震えてる二フラー。そして僕はパフスケインと二フラーを相互に見たら、エリオットくんにつられて僕も困惑して
「さぁ...でもパフスケインも怖がるって事は...何かあったり...?パフスケインって確かあまり人を怖がらないんじゃなかったっけ...。」
僕の顔を見ただけで爆鳴きされるほどに怖がりなニフラーなら、怖がることは何となくわかるけど...パフスケインまで怖がるって事は何かあったのかな...?でもパフスケインまで怖がることって...一体?僕はカーディガンの中に隠れたパフスケインを優しく撫でて
「もう大丈夫だよパフちゃん、多分さっきの人達、しばらくこっちには来ないと思うから。」
そう妹に言い聞かせるように優しく言ってみたら、パフスケインはゆっくりと出てきて
『きゅぅ...』
と、まだ不安そうに鳴いた。
「...ねえ、なんかさ、さっきの先生たちに何かあると思うんだけど、そっちはどう思う?...パフスケインがここまで怖がるのなんかおかしいと思うんだけど...いや、でも個体差があるし、確信も無いからわかんないけど。」
パフスケインがここまで怯えるのは尋常では無いかもしれない。僕はさっきから疑問に思ってた事を口に出してエリオットくんに聞いてみて。
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