三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「屋内なら、確かに壁を壊すしか逃げ道がなさそうだな。あまり閉所には行かないようにしたいが、外でも枝が邪魔になるとかあるかもしれないしな。暴れ柳があるんだ、他に動く木があったって不思議じゃないよな。それに、禁じられた森じゃなくても、このホグワーツ城だってアロホモラで開けない扉で閉じ込められる場面もあるかもしれないしな…」
森、というからには建造物は少ないと思うが、ケンタウロスが群れで暮らしているように他の知性ある生物が建物を建てていることもあるかもしれない。そういった屋内では確かに、壁を壊す必要があるだろう。なにもそれが必要になるのは森に限らず、この城でだってそうだ。未知の部屋も、危険な部屋も、きっと沢山ある。そこで不運にも閉じ込められた場合、そして鍵開け魔法が通用しない場合は実力行使に出る必要があるだろう。それ以外でもなにか爆発的な火力が必要になる場面はあるかもしれない。そう考えれば、率先して身につけておくべき呪文だと確かに思えた。
「噂には聞いていたが、本当にパフスケインは人懐っこいんだな。かわいい…」
セシルに撫でられて喜ぶパフスケインは、とても愛らしい。これは確かにペットとして大衆に好かれるはずだと大いに納得出来る説得力がある。ニフラーもなかなかの毛並みだが、パフスケインもきっと綿あめのようにふわふわとしているのだろうと、ニフラーの頭を撫でながら羨ましげにじっとパフスケインを見つめ。
「そうだよな…。冤罪で罪状が膨れ上がるだなんてごめんだ。抜け出しただけならお叱りで済むかもしれないが、シャンデリアまで壊したことにされたら、どんな罰則があるかだなんて考えたくもない!」
仮にこの状況を見られたならば、誰もがオレたちをシャンデリア壊しの現行犯だと考えるだろう。オレが逆の立場であったとしてもそう思うに違いないんだ、なにを弁解しても言い訳としか捉えられないに決まっている。そうなれば、一体なにが待ってる…?間違いなく家に連絡が行ってしまう!それだけは、それだけは絶対に避けねばならない。レパロを満足に使えたならばシャンデリアを修復でもするのだが、現時点でそれは叶うはずもなく。どのみち、夜間に抜け出しているので見つかる訳にはいかない。
「そ、そうだな…。あっちから、声が聞こえた気がする。早く行こう!そこを曲がって、また右に曲がれば図書館も近い!」
緊張による気のせいか、あるいは本物か。オレたちが来た廊下の奥から人の声が聞こえた気がして、焦り気味でセシルの意見に賛同し。ニフラーを抱え直して地図を片手で開けると、見にくいながらも道順を確認して。そして、セシルに手を握られればそれに抵抗することなく、むしろ、地図情報があるオレが先導して引っ張る形でその場から駆け出そうとして。
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