ホグワーツにて、貴方と共に。(〆）

「雑誌かぁ...確かに写真がいっぱいな雑誌なら読みやすいし、新聞よりはデザインがいいから、読書嫌いの人にも抵抗が少ないものだね。まぁ、流行ってそういうものだから、いつ終わるのかも時間の問題だし、出来るだけその時が先延ばしにできるように必死なんだろうねぇ。」
物売りが何かを流行的にすることはとっても難しい。仮に何かを流行させても、それは長くは続かなくて、時代に合わせて儚く散っていく。品物を出来るだけ低コストで大量生産できる品物、かつクオリティも高く、アイデアも新しい、他の企業と差をつける為に様々要素が必要だ。デイリープロフェットがやってる炎上商法は確かに一時的は爆発的な売上を上げることに成功するけれど、持続的なのかって言う方面で考えると、それは違うだろうな。アンチを上手く使って悪名を轟かせるも、誰もが飽きてそういう事に気にしなくなった時、新聞社はすぐに潰れるだろう。雑誌という、また新しい競争相手が居る今、新聞社は売上のためによりいっそう新しいアイデアに飢えてる以上、控えめの炎上を起こしつつも、やっぱり虎視眈々と新しい獲物を探している頃という事だ。今狙われたらもしかしたら僕の家族が記事にされた時程の甘いレベルじゃ済まないのかもしれないという事だ。そしてたとえこちらに非が無くても、上手く法律の抜け穴を使って罪から逃れられてかえってこっちが不利になる程上手く立ち回れるように成長もしているかもしれない。僕の家庭が崩壊した今、ないとは思うけれど僕が狙われたら...と思うとやっぱり他人事じゃ居られない。僕が狙われたら、つまりシャーロットにも魔の手が迫ってくる事だってある。何年かたったとしてもやっぱりいつ誰がぶり返して来るかわからないからね。常に最悪を予想しないと行けない。かと言って現実は軽々と予想を飛び越えてくるけど。
「うんうん、なんかこう...カルチャーショック、みたいな？自分達の生き方と、ケンタウロスの種族の生き方が違うからね。当たり前だって思ってる挨拶ももしかしたら、あの人たちにとってはタブーだったり有り得そうだよねぇー。んー、いいと思うよ？向上心があるってことはとてもいい事だと思う。僕はそうだなぁ…緊急事態に備えて逃げ切れるような術を習得したいなぁ。ケンタウロスに襲われるとかの時とか、戦うよりも逃げるが賢明な時だってあるからねぇ。」
何かあったら全て脳筋に叩けば良いってもんじゃないんだ、禁じられた森に入るなら、ちゃんと逃げ切れる自信がある時にした方がいい。僕たちが例え相手を怒らせても、相手の大切な人を殺して恨ませる程にはさせたくないし、何よりこっちも後味が悪くなるし、罪悪感諸々も押し寄せてくる。戦うよりも逃げるが勝ちだ、双方にとって一番利益がある。いち早くそう逃げ切れる魔術を学びたいな。すごい難しいと聞いたけれど、まぁやれる所までやってみなきゃわかんないわな。
「ひゅっ...ぁ...ぁ...かわいい..かわいいよぉ...良かった、よかったよぉ...」
僕は感動で泣きそうな震えた声で尊き命にそっと手を差し伸べてみたら、パフスケインは掌に乗ってじーっと見てきた。僕の顔はやっぱり相変わらず怖い表情のままなのに、パフスケインは別に大して動揺を見せない代わりに、ニフラーは心配で心配で例えエリオットくんに宥められても鳴きやまない。
『ぴぃ！！！ぷ！！ぷぅ！！』
グイグイとエリオットくんの袖を引っ張って助けを求める様子、
(あぁ、やっぱりニフちゃんとは仲良くなれないのかな…)
と思ってたらパフスケインはニフラーに振り向いて
『きゅぅ！』
と大丈夫だよと、元気よくないて僕の掌にコロコロと警戒無しに転がり出したが。ニフラーはただただ心配そうにこちらを見てくるだけで、怖いのかぷるぷると震えて