三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「んー、まぁ、....他の子達よりはちょっとあるぐらいかなぁ。マグル界はいい所だよ!色んな経験できてお勧めできる!エリオットくんもいつか行ってみたらいいと思う!」
これ以上あまり自分の家庭に関して語りたくなかったから、家庭よりもマグル界に関して話題を替えようとして。
(まぁ....マグル界は確かにいい所ではある。魔法が使えないのは少々不便ではあるけど、それ故に魔法界の住民にとっては斬新な経験にはなれるだろうね。ただ、僕らみたいに一文無しで住居無しからスタートにはきついと思う。母さんはマグルではあるし、マグル界は未知な場所では無かったはいいものの、母さんは詳しい事情を話してくれなかったけど、母さんの実家にもなんか事情があるらしく、実家には戻れなかった。正直そのせいで、普通の子達の体験よりも修羅場の体験の方が多いかもしれない。ある意味経験豊富ではあるけど、出来ればそこまで経験はしたくなかったなぁ。それより、自分の家柄これ以上詮索して欲しくないな。なんかの有名人だとか勘違い...いやある意味勘違いでは無いけど...まぁ、されたとしたら、やばいかも。まだエリオットくんとは友人でありたいんだよ。出会ったばかりだから尚更。手荒に口止めとかしたくない。)
「いやァ~、でも分かんないんじゃなぁーい?なんかどっかの癖が強い先生とか...もしくはここの生徒とかが趣味で薄い本を隠してたりさぁー!」
挙動不審な動きをするエリオットくんに僕はケラケラと笑い。僕もこれでもお年頃の男子だし、何より暫くはスラムに住んでいたんだから、下のネタ一つや二つぐらい言うだろうよ。だけれどお坊ちゃんはどうやら、こんな軽めな下ネタでも反応してしまうらしい。
(羨ましいな...)
僕は、そんな彼が羨ましく思ってしまう。そう言うドキドキを感じられる気持ちがあるのはとてもいい事だ。運良く、僕は一切体験はしていないけど、もう母さんが父さん以外の他の男達との情事を見てしまったから。正しくは...その男達の趣味で見せられたんだけどね。母さんの喘ぎ声と悲痛な泣き声に嗚咽は、余りにも辛くて、見てられないし、聞きたくなかった。何より、僕は何も出来なかった。逃げられないように鎖で繋がれて、母さんを助ける事すら出来やしない。事後の母さんは必ず泣いて、必死に許しを乞いていた。お金の為に、そんな変なことを見せた僕にだけじゃなくて、その場にいない父さん、そして、居るはずがない神様に。その男達の言う「興奮」というより、母にこんな事をさせて、謝らせてるような罪悪感と、こんなに早く知りたくなかった残忍な現実への恐怖と失望感の方が大きい。だから、純粋にそんな言葉だけで照れて挙動不審になれる事が羨ましい。
「あー...なんか怖い拷問の魔法とか、法に触れそうなやつとかかぁ...確かにありそうだなぁ…学生が作るには危険すぎる魔法薬か...うーん...下手したら大爆発起こすやつとか?」
なんて、それだけじゃ甘いか。作る人の魂を剃ったりする魔法薬とか?それぐらいありそうだよね...。正直いって、知識として頭に入れておく分には損は無いから、僕も結構興味はある。時間があるなら是非とも見てみたい。
暗闇の中でも分かる、シャンデリアとシャンデリアがぶつかり合う金属音、そして大きく揺れてはこちらに近づいてきている物。僕はまさかこんなに早くフラグ回収が来るとは思わなくて、焦っていたら、エリオットくんは僕の手を引いては頭上の錆びたシャンデリアから離れた瞬間、猛スピードで此方に近づくモノが丁度その錆びたシャンデリアに飛び移った。
ガシャーンッッッッ!!!
地面に砕け落ちたグラスと錆びた鉄、少しだけ避けるのが遅かったら、僕はシャンデリアの下敷きになっていた。そして落ちてきたシャンデリアからは、その、なんかもふもふの黒い毛に覆われた小さい動物?が、まるで漫画の効果音の、ポーンって音が付きそうにシャンデリアから、反動で投げ飛ばされ、エリオットくんの方へと飛んでいって!
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