三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「ピクシーは悪戯好きらしいから、杖とか取られないように注意しないとな。あとは…授業で取り扱うような魔法生物だとなにがいるんだろうな、大型のものは禁じられた森あたりにいそうだから、小型でそこまで危険性がない生物…。なんでもいいか、オレも魔法生物ならどれでも見たいからな」
ニフラーは空を飛んだりしないのでそこまで気を配る必要は無いが、ピクシーは飛行する小型の魔法生物だ。しかも、悪戯好きらしく杖を奪ったりすることもあるらしい。杖は魔法使いにとって生命線なので、奪われたらなにもできなくなる。とりあえず、杖だけは絶対に取られないようにしっかりと握っておかないとな。あと可能性がある魔法生物を考えてみたが特に思い浮かばず、セシルの言う通りどれでも見ることができればそれでいいと思考を切り替えて。
「ああ、借りるよありがとう。裁縫キットといい、このボタンといい、セシルは裁縫が趣味なのか?」
礼を言って差し出されたボタンを受け取れば、それを摘んだまま眺めて。服が破れれば屋敷しもべが直すか買い換えるかをしていたオレには裁縫にはとんと縁がなく、主に女性の嗜みという認識でしかなかった。制服は丈夫に作られているみたいだが、万一破れても替えがあるため、当然というべきか、裁縫道具やそれに準ずるものは一切持ち込んでいないオレに裁縫キットは物珍しく見えて、そう問い掛け。
「そうだな、油断している隙に背後から奇襲でもされたら堪らないから、全体を警戒していこうか」
セシルが出たのを確認すれば、音を立てないようそっと扉を閉めつつ、ローブから丸めた地図を取り出せばそれを開け、ルーモスの光で照らしてセシルにも見えるように広げ。
「とりあえず寮からは出るとして、どうする?もしかしたら入れるかもしれないし、魔法生物を探しがてら図書館も覗いていくか?」
寮から図書館はそこまで離れておらず、そこまでのルートはしっかりと記載されているのでそう迷うことはないだろう。入れるかどうかは実際に行ってみないとわからないが、手紙の文字をいち早く調べるのなら覗いてみた方がいいだろうかと考えて。オレとしては蔵書も魔法生物もどちらにも興味があるから、優先対象はセシルに決めてもらうのが一番だろう。
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