三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「うん、だって立ち入り禁止って言われれば言われるほど気になるじゃん。まぁ危険だってことは知ってるけど好奇心には抗えないや!是非一緒に行こうね!んー、そっかな..えへへ、ありがとう!予習頑張った甲斐あったよ!」
エリオットくんからのお誘いを快諾し、褒められて僕は少し照れくさそうに笑って
数年の間はずっと魔法界とは一切無縁だったんだ、魔法界にいた頃の記憶も段々と薄れていってる気がするのも事実。人の記憶とは簡単に忘れるものだ、まして、数年という月日は案外短そうに見えて長い。数年たっただけで周りにあったもの全てが変わる可能性が無い訳では無い。先に勉強できるものがあれば、一応勉強はしておかないととは思うが、たったの数ヶ月という短い間だけでは多くは学べない。この先不安でいっぱいではあるけど、初めて他人に認められて嬉しいと思った。褒められたからって、もう頑張らなくてもいいという訳では無い、わかっている。だが、誰かに肯定をされる事はもうずっとずっとされていない、最後にあったのも遠い過去の事だ。僕は素直に喜んで、褒めの言葉を受け止めた。
「やっぱり優等生だったんだ!お兄さん凄すぎるじゃん!うわぁ...すげぇや..監督生までなっちゃって、闇払いの仕事に就くって...みんなの理想そのまま現実に持ってきた様な人だね!」
かと言って、ここまで完璧超人な人に欠点がないわけが無い。性格がクソ...だったら、ハッフルパフには入れないか。...手先不器用とか?でも少なくともマニュアル通りにしか動けない人ではない事は伺える。なんてったって、こんな凄い地図を作り上げれたのだからね。
(でも、こんな凄い兄を持ったら、弟であるエリオットくんも結構ストレスを感じるんじゃないかな?見た感じそうには見えないけど....僕がもし次男で兄か姉がそんな完璧な人間だったら、僕は絶対ストレスになりそうだなぁ...特に貴族家庭って、子が両親に応えないと追い出される~とかって、ありそうじゃない?個人の偏見なんだけどね。エリオットくんも無理してないといいけど...)
僕も、現在一人の兄としての立場でみても、もし自分が本当に成功していい仕事についたとして、無意識に妹の自尊心を削ってストレスを抱えさせる事は絶対に嫌だ。だから僕は例え成功しても絶対シャーロットに自分のようになれとは要求するつもりは一切ない。だけれどもしシャーロットが繊細で人目気にする様な子に育ったら?僕はどうすればいいんだろうか
「でもさぁ、こんなにすごいお兄さんがいてさ、なんか...ストレスと感じない?あー、いや、知り合ったばっかなのにそういう家庭とかに踏み込んだ深い話はしちゃダメか!ごめん忘れて!」
僕は気づいたら、心配そうに彼にこの事を聞いていた。誰かの兄として、無意識な、ただのお節介だ。だけれどこれはそう簡単に気軽に聞いて許される話じゃない、そんな気がしていた。だけれど1度放った言葉は戻って来れない。僕は申し訳なさそうに彼に謝って
コッ....コッ....
革靴が、外の冷たい廊下をゆっくりと歩く音が徐々に大きくなっていく。
コッ...
そして、足音は僕達の部屋で止まった
「....?..」
足音は消えたが、外にはまだ人の気配を感じた僕は、緊張で心臓の音が段々と早くなって行くのがわかる。
(見張り...?いや、でも僕達の部屋の前で止まったんだけど...?犯人...?なら入って来ても可笑しくないかもしれない!!やばいやばいやばい、本当に犯人だったらシャレにならない!手紙が無くなってると分かれば、1度起きたってことは確実にわかっている!)
「....ごめん許して!」
とだけエリオットくんの耳元に慌てて囁けば、杖を強く握ったまま、即座にエリオットくんの手を引っ張り、僕のベッドに押し倒し、覆いかぶさり、慌てて布団をエリオットくんごと被せて
(ごめんよエリオットくん!!!流石にいきなり入って来られた瞬間にいきなり魔法使われたら、避け切れない。今は多分無意味だとわかってても少なくとも一撃ぐらい避けれる様に隠れた方がいいんだ!!)
部屋に防音対策は出来ているかどうか分からないが、どんな相手何かと分からない以上、少なくとも奇襲される場合なら被害は少しだけでも減らしたい!!!
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