三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「よし、じゃあ外に出るか。本当は禁じられた森にも入りたいんだが、攻撃魔法もなにも知らない状態じゃ心許ないし一先ずは校内のみにしよう」
よし、共犯者確保だ。成績に響くのでバレるつもりは毛頭ないが、それでも共犯者がいると心の安定度が違う。森にも入りたかったが、精々実用できるのはプロテゴぐらいで、危険に見舞われたら切り抜けるのは難しいだろう。そっちはもう少し知識をつけてからそのうち探索することにしよう。予想よりも乗り気になってくれたセシルに”流石だな”という意味を込めて、人差し指と親指を立てた、マグルの兵器である銃のような形の手を作れば、ビッとセシルを指して。そして、先程の地図についての質問を答える。
「良い代物だろう?地図の持ち主の現在地を示してくれるし、階層ごとに立体的に表示させることもできるんだ」
得意げな表情で地図を水平に寝かせれば、線がふわりと浮き上がり階層ごとに縦に並ぶ。主要な教室にはきちんと教室名も振ってあり、プラスで自分の現在地も把握できるために、新入生にはもってこいの道具だ。
「これは──まぁ、言ってもいいか。卒業生に罰則をわざわざ与えるわけでもないだろうし。その通り、売り物じゃない。元ハッフルパフの寮監でオレの兄、その人から譲ってもらったんだ」
こうして話に出して、そういえば初めてセシルに兄がいることを明かしたなと思い出す。別に兄のことについて隠していたわけではないし、言っても言わなくても兄が寮監を務めていた代のハッフルパフ生は未だ在学だ、だからそのうち兄の存在はバレると思っていたのでわざわざ言う必要性も感じていなかっただけだ。
「この地図は残念ながら非公式で、作成方法も兄と友人が自分たちで校内を練り歩いて地道に描き足していったものだから、網羅されていない場所も多いんだ。ほら、こことか不自然な空白になっているだろう?勿論、先生方にバレたら没収されるから見つかっても死守しないと」
地図をその辺のチェストの上に置けば、寒さ対策にローブを羽織りながら話して。不自然な空白、と指し示した箇所は線が途切れており、虫食いのようにぽっかりと空いていた。そういう箇所は少なくなく、数人で取り掛かってもホグワーツ城を把握しきることは難しいことを如実に示している。
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