三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「そうだな、どうせ昼か夜にまた絡んでくるだろうし。ソバカスはともかく、デブの方ならなにかしら反応を見せそうだ。それまで手紙を持ち続けるのも気持ち悪いだろうが、大丈夫か?」
セシルの提案に頷けば、比較的表情が変わりわかりやすいブライアンを指標にしようと考え。これで違った場合は2人がこれ幸いと悪ノリに走る可能性もあるが、あまり悪い可能性ばかりも懸念してはいられない。奴らのターゲットはセシルだけではなくオレも含まれているらしいので、他人事ではいられないな。手っ取り早く黙らせられる攻撃呪文をもっと多く扱えるようになりたい。
「世の中には神ですらない化け物を神だと崇め立てて信奉する奴らもいるからな、実際に存在する神なら不敬な物言いをするが、こんな見た目をしているのはどちらかと言えば怪異だろうよ」
思いっきり顔をしかめれば、不気味な翼の怪異を一度睨んで。
「やっぱりか。そりゃあまた眠ろうなんて気にもなれないだろうな。怒られるのを怯えていてはなにも始まらない、多少は不正でもしなきゃ高みになんて登れっこないんだ」
オレと同じように眠気の飛んだらしいセシルに苦笑いして同意すれば、オレはベッドサイドテーブルへと歩いていき。そこの中段、兄様とオレの写真が入っている所より一段下の引き出しを徐に開ければ、一枚の古びた羊皮紙を取り出して。
「だから、校内探検でもするのはどうだ?きっと今しか見れないものだって沢山あるだろうよ。入れそうだったら図書館にも入ってみたいな」
悪戯っぽく笑ってセシルに見せつけるようにして掲げた羊皮紙には、ぼんやりとした線で校内の見取り図が浮かんでいる。そして、持ち主であるオレの現在地を示す青白い光点が、スリザリン寮の個室の上でふわふわと浮いていた。明らかに魔法がかかっているそれは、兄様から譲り受けたホグワーツ城の地図だ。
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