三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「……いやいや、想像以上に暴れ回りすぎだろう。間違っても彼奴らと同じには見られたくないな。寮に見出されるような勇気も知恵も慎み深さも見当たらないが、本当に入学生か?」
多少騒々しいのは覚悟していたが、まさかお祭り騒ぎにまで発展しているとは。11歳、確かに子供とはいえ節度を弁えているとの想定は甘かったと思い知らされる。あまり良い家柄ではない者があの騒動に加わっているのかと思ったが、セントリックに負けず劣らずの名家の子らの顔もチラホラと見つけてしまい、呆れ返って。
「っと、セシル大丈夫か?」
どこから飛んできたのか、軽い音を立ててセシルの頭部にブランケットが命中した。それに振り向けば、注意して投げ返していたものの、あまりにも言い方が優しく残念ながら彼らに対して効果はなさないだろう。笑いながら投げ返されたものを受け取る彼らについついムッと不機嫌そうに口端を歪めたオレはセシルの状態を確認した後にバカ騒ぎをしている彼らを見遣って、腕を組む。
「全く、恥ずかしいにもほどがあるな!彼はこのエリオット・セントリックの友人だ、お前たちはセントリックの名を知らないはずがないだろう?彼を軽んじることはつまり、このオレへの侮辱も意味する。詰まってはいないその脳味噌によく刻みつけておくんだな!」
少し静かになった彼らにフンと息を吐けばセシルが入ったのを確認して個室のドアをピシャリと閉めて。
「良くも悪くも破天荒な連中が多いんだ、駅員も教師陣も慣れているだろうさ。きっと、手が掛からない子供の方がずっと珍しいからな」
席に座れば足を組み、魔法界のことをあまり知らなさそうなセシルに苦笑いでフォローして。
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