三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「雰囲気的にはラテン語のようだが、オレも語学が堪能と言えるほどではないから読めないな。短文だからなにかしらの言い回しなのかもしれないが、スラングめいた言葉なら尚更解読できない」
イギリス内から出ることはほぼないので、英語以外はあまり話せない。なので文体と文字の雰囲気から推測したが、何語か突き止められたところで今この瞬間解読するのは非常に難しいだろう。それが独自の言い回しだったならば尚更だ。
「誰もいないな。追跡呪文が唱えられたら、突き止められていたのに。でも寮に入れるんだ、スリザリン生に違いないと思うが。寮に入るには合言葉が必要だ、教師ならば入れるが、言いたいことがあるならば日中に来るだろうし。正直、オレもあのデブとソバカスが犯人だとは思うが、……あいつらだったら賢すぎる、よな。文字だけ並べた意味の無い羅列かもしれないが、それでももっと直接的な方法で来そうなものだ」
廊下を見渡したところでシンと静まり返ったそこに人影はなく。あの二人ならばこちらの反応を見ていそうなものだが、影すら見当たらなかった。アパレ・ヴェスティジウムを使えれば痕跡を辿れただろうが、まだ入ったばかりの新入生がそれを容易く行使できるはずもなく。仕方なく明かりを消せばドアを閉めて、顎に手を持っていくと手紙を見つめながら考察し。
「その羽は、手紙と一緒に?」
セシルが持ち上げた羽は、一見なんの変哲もなさげな単なる白い羽だ。羽根ペンとして用いられているものと大差ないように見える。
「いや、白い羽だけなら該当が多すぎる。フクロウかもしれないが、白鳥とかかもしれないし、なんなら魔法生物だって有り得る。便箋の奇妙な翼の怪物に羽、こだわりがあるのかもしれないが……なんだか、やけに宗教じみていないか?あまり持っているのはよくないかもしれない、変な魔法や呪いがかかっているかも」
象徴のモチーフとなった生物がなにかわかれば考察のしようもあるが、現時点ではあまりにも不明瞭で。とはいえ、意味不明ながらも象徴を強調するそれはどこか宗教めいたものに思えてくる。なんにせよ、厄介なものが仕込まれていたら危険だとセシルに注意を促して。
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