三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「大丈夫大丈夫、少し冷えてるぐらいが丁度いいんだ。でも雪が降る冬なら、少しキツイから、その時はシーツをもう一枚ぐらい敷いてくよ」
ふへっと笑えばエリオットくんの方を見ずに、シーツを整え続けて。
もう一枚シーツが欲しいとは言うけど無くても別に平気だ。貧民街に住んでいた頃はもっとさむかったから、コンクリートの床でシャーロットが凍死しないように守るのは大変だった。それに比べて今は風から守ってくれる壁もあるし、雨、雪から守ってくれる屋根もある。しかも、贅沢にシーツもふかふかな布団もあるという事だ。これ以上に何か望むのは少し贅沢がすぎるかも知れないけどまぁ、学費は払ってるんだから、別にシーツ一枚二枚ぐらい貸して貰っても大丈夫だろ。
「....よし、もう消しても大丈夫だよぉ。心配してくれてありがとう、一晩寝たらすぐ治るさ。エリオットくんもゆっくり休んでね、おやすみなさい」
布団の中に入って横になれば、もう明かりを消してもいいと合図を送ったら、そっと目を瞑った。
(やっぱり、やっぱり結構罪悪感がくるな...友人を騙す真似は余りしたくなかった。けれど、しなければきっと初日そうそう、折角出来た友人を無くす羽目になる。冤罪だとはわかっているが、世間では犯罪者として見られてる以上、犯罪者の息子というレッテルをはられるに決まっている。人はきっとそういうものだ、薄い表面しか見ようとしなくて、しかも全部自分の都合のいいように物事捉える。それだけじゃ足りず、全部面白おかしくなるように変に事実をねじ曲げ、あることない事言うのが大好きだ。誰かの不幸は誰かの蜜。エリオットくんはどんな子か知らない以上、この定義で捉えて行かないときっと傷つくのは僕なだけ。過度に期待してたら、その分失望が大きい。神が居ない以上、己が自分の神になって、自分を救うしかないんだ。...だがもし、少しだけでもエリオットくんはそういう人じゃ無ければいいな...なんて思う。夢を見てはいけない...わかっているが、それを少しでも求めることは同じ、人の性。...まぁ、なんだ。明日こそはちゃんと、ちゃんと今日みたいな失態が無い様に気をつけよう。)
ぎゅっと布団を掴んで、肩まで持っていき、こんな事を考えながらゆっくりと微睡みに落ちる。
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