三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
通報 |
「床!?……いや、そういう文化圏もあるしな。身体を痛めそうだが、まぁ君の好きにしたらいい」
床で眠ると聞いて驚いたが、東洋ではそういう文化もあるようだ。とはいえそれは異国の話で、少なくともオレは床で眠る人を見たのは初めてだが。セシルが今までどういった生活をしていたのか気になりつつも、割り振られたスペースを使用する範囲でわざわざ咎める気も起きず、了承して。
「ここは湖に面しているから、カーペットがあるとはいえ底冷えもしやすいだろう。……本当に大丈夫か?悪化しないといいんだが」
背中を向けたセシルの後ろ姿を窺いながら、床に敷かれていくシーツの、くしゃりとなっている端の部分をさりげなく直す手伝いをしつつ、あからさまに心配げにセシルに何度も目線を送り。そもそも具合が悪いと言っている人物を疑うという考えは皆無だったので、オレは彼の言い分を全て信じると、病弱なのかもしれないと可能性を懸念して。寝方に関しては本人がこのスタイルがいいと言っていたので今更強引に止めることはせず、心配そうにしながらも己もベッドへ上がれば毛布をかけて。
「明日も辛かったら素直に言うか、医務室に行くといい。じゃあ準備がよければ灯りを消すぞ」
と、念押ししつつ灯りを消すために、枕元に置いてある杖を手に取って。
トピック検索 |