三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「あらら、優しいねえ!でも変に気を遣わなくてもいいんだよォ~。僕はお客さんじゃないからね。...あー、そかそかぁ!僕も柔らかいベッドより固い地面の方がよく眠れるから、それと同じかな!」
暗くないと眠れないことを聞いて、何となく親近感を感じた。地面も案外悪くない、夏は冷たくて気持ちいい。まぁ冬は冷たいが、シーツを敷けば基本大丈夫だ。アジアの国ならともかく、ここではそういう文化ないから、変な目で見られそう。だが、今日からは同居人なんだ、どう足掻いても見る事になるだろうし、事前に言っておこう。
「...ははっ、そう...だね...。気をつけるよ...」
反応から見て、まるで知らないのか、エリオットくんは気づいていない様子だ。
(これは敢えて、触れないで行ってるのか..?それか本当に気づいて居ないのか...?)
心配と緊張で少し胃痛を感じたが、今はそんな場合じゃない。僕はぎゅっと痛みを耐える様に拳を握りしめた
(...動揺隠すの下手くそかよ!こんな反応してるなら、絶対誰でも不審がる!だけれど、まさか今この時にバレそうになるなんて聞いてないし、ましてや心の準備なんて出来てない。)
『それでだが』と言うエリオットくんの言葉にさえも肩を震わせ、いちいち反応しては俯き、目は見れない。話を聞いてればどうやらエリオットくんは純粋に僕が体調不良だと誤解しているらしい。これは、運がいい。
「っ.....あはは...心配してくれてありがとう。大丈夫だよ..そこまで酷くないし。うん、そうだね、もう寝るよ。早く地面にシーツを敷かなきゃ...。」
(仮病の演技なんかやったことが無い、だからこそ今上手くやれてるかどうか結構不安だ。だけれど、何とか切り抜かなければ、切り抜かなければ、後悔するのは自分だ。今は無難に背中だけを見せよう。)
騙すのは良くないとわかってるが、それ以外に僕に何ができると言うんだ。今上手く誤解されてるのは全部運のお陰だ、二度はきっと無いだろう。僕はこれ以上の失態は見せてられない、この猿芝居にボロが出る前に僕はベッドを向いては、シーツを手に取れば地面に敷いて。
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