三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「お、おお……。しかし、本当に知らないとは君はまさかずっと山篭りでもしていて久々に下界に降りてきたのか?」
柱にぶつかる恐怖で後に続いて来ないかもしれないと思っていたが、その懸念も無用だった。すぐに着いてきた彼は、心配で待っていたオレの元に来るとまるで命の恩人かのように感謝を捧げてくる。躊躇せずに手を取る姿は人懐こいと言う他なく、その勢いに押されながらも、疑問に感じたことを愚直に問い掛けて。
「なんにせよ、このまま放逐してなにかあれば厄介だからな、共に行動でもしようじゃないか。これもなにかの縁だろう」
ホグワーツ特急に辿り着くことすら危うかったのであれば、他に知らないことも多いのかもしれない。父はどう考えているかは知らないが、先導するのも高貴な者の定めだとオレは常々心に刻んでいるので、余裕を見せるように笑うと待ち侘びているように佇んでいる列車を手で示して、二人で乗り込もうという意思表示を見せる。
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