三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「ケーキ作り?オレは料理なんてやったことないが、いいのか?君に教わりながらの介護状態になるだろうが、それでもいいなら、やってみたいな」
セシルの提案に目をパチパチと瞬かせれば、首を傾げて。屋敷しもべの妖精に家事はやってもらっているので、生まれてこの方包丁すら握ったことがない。全くの未経験、初心者未満の素人でも作れるのかは疑問だが、何事も経験だ。それに、友達との共同作業という点でも興味はわいてくる、間違いなく足を引っ張りかねないが、それでも了承してくれるならばやってみたい。
「魔法史は苦手か?まぁ、気持ちは分かる。偉人や歴史に興味がなければあれほど退屈で覚えづらそうな授業もないだろうな。しかも、昼食後の一番眠くなる時間にあるときた」
魔法史という文字を見つけて、ため息を吐きながらあからさまに嫌そうにするセシルに苦笑して。購入直後に教科書をパラパラとチラ見しただけでも長ったらしい文字列と写真が隙間なく並んでいたので、うんざりとするのはオレも少しわかる。幸い、オレは偉人に関しては興味がある方だし、淡々としたその時間も嫌いではないが、杖を振らない授業は苦手な者にとってはこの上なく苦痛な時間となるのだろう。その上魔法史はうららかな陽気と満腹感で眠気を誘いやすい昼過ぎに設定されている。これは間違いなく、居眠りする者が続出しそうだ。
「セシルが眠ったらオレが起こしてやろう。二人揃って居眠りした時は、まぁ……なんとかなるだろう」
嫌いではないが、生物の生理現象としてどうしても満腹と眠気は切り離せない位置にある。時間が時間なだけにオレも眠らない自信があるとは胸を張って言えないので、オレまでノックアウトされた時のことは考えないようにして。
「なんにせよ早く呪文を習いたいな。簡単な呪文は予習してきたから使えるとはいえ、決闘用の呪文なんかはもっと知りたい」
魔法を知らないマグルの前で使うことは禁じられているが、実家ならばそれに抵触することはない。杖を購入した時から多少の呪文は練習し、簡単なものならば問題なく使えはするがやはり高度な呪文も習いたいところ。決闘クラブなんかもあるので、それにも関心が惹かれる。尽きない好奇心に饒舌になりながら、あちらこちらへと興味を示して。
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