三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
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「まぁな、オレをからかったらこうなるんだぞ。ちなみに、まだまだ都市伝説的な話のネタは持っているから、反撃される覚悟で挑んでくるんだな」
セシルのたじたじな反応に、ようやっと優位に立てた気がしてフフンと機嫌よく笑えば、少しドヤ顔で挑発し。軽口では敵わないが、ちまちまとした嫌らしい反撃ならば意外と得意分野でもある。
「これぐらい、ほつれても魔法で直せるんだからどんどん座ってやれ。どうせ何回かは大破してるだろう」
高級なソファーも見慣れていれば、大して価値あるものとは映らない。ソファーの背もたれに肘を置けば、ポンポンと手で軽く叩いて。ホグワーツの入学生も、頭はピンキリだということが今日一日でよくわかった。代表的なのは何かと鬱陶しいブランケット坊ちゃんだが、まぁあれも氷山の一角なのだろう。魔法を習い始めた頃に暴れる奴の一人や二人はいるだろうと容易に予想がつく。いちいち買い換えていては運営資金に響くというもの、だから壊れようともすぐに直されているのだろうな。そうなればオレにとってはますます価値が薄いというものだ、しかしセシルはあまり高価なものとは縁がなかったのかもしれない。生まれは知らないし、聞いたところで対応を変えるわけもないので無理矢理知ろうとは思わないが、少なくとも裕福な家の出ではないのか。
『そこの、初見のカエルチョココンビ。あ、由来はそのまま初見のカエルチョコに飛びかかられた時みたいなインパクトを残したことからね。あとは君たちの部屋分けなんだけど』
そうしていれば、スリザリンは他の寮よりも人数が少ないせいか意外にも早く部屋分けが終わったらしく、上級生の男子生徒が話しかけてきた。いつの間にか、なんだか嫌なコンビ名がつけられている。
『人数の関係で、君たちは二人部屋だってさ!これはまた厄介なことになりそうだなぁ、カエルチョココンビから爆竹コンビに昇格させないでくれよ!ほら、もうそろそろ就寝時間になるから早く行った行った!』
「二人部屋!?…………いや、ありだな。行くか、セシル」
まさかの二人部屋に、一瞬驚いたもののよくよく考えればむしろ願ったり叶ったりだ。下手に面倒臭い生徒と一緒にされても困るというもの、セシルと二人の方がよっぽど有難い。就寝時間、という言葉に時計を見れば、校則で決まっている就寝時間の十時までそう余裕は無さそうだった。予定を確認して、風呂に入って、そんなことをしていればあっという間に時計の針は進んでしまうだろう。他の新入生も各々が振り分けられた部屋に赴いているようだ、オレもモタモタしていられないと認識すれば、セシルを振り返り。
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