三丁目のミケネコさん 2022-02-21 22:59:24 |
通報 |
「あー...なるほどね...確かに『こいつはいいのになんで俺がダメ』とか、思われる可能性とかあるよねぇ...」
うんうん、と首を縦に振り、同意の仕草をして。そしてエリオットくんが指さした方へと目を向けると、体型が大きい少年が此方を睨みつけていた。
「...わぁお、あからさまに嫉妬してる顔してるねぇ!女の子達が見てるのに、一切隠す気ないじゃん!嫉妬しててもモテる訳ないのにねー。んん..?待って?あの子って...確か列車の中で馬鹿騒ぎしてた子の1人じゃね?あー...確かほら、ブランケットを僕に投げて来た子。」
かわいそうだとその少年を哀れんでいると、彼はもしかしてブランケットを投げてきたあの少年だったのでは?とうっすらと思い出した。だが顔を合わせたのも1分間ぐらいで、はっきりと顔を覚えきれていないし、もしかしたら違っていたのかもしれないのでエリオットくんに聞いてみて。
「元気なのは良いけど、度が過ぎると付いてけないから程々が一番やりやすいよねぇー!あと2人は誰だろねぇ!楽しみだなぁ~!」
浮かれ気味にそう言って期待した。エリオットくんが僕のことを心配なのか、それともただ迷惑を掛けて欲しくないのか、無理しないようにと言われて
「...だーいじょうぶ!本当にやばい時はちゃんと無理しないさ!何よりお薬とか苦手だし、迷惑は掛けたくないしねー!」
(なんて...そもそも限界のラインがどこにあるのか分からないし、無理な時は無理だけど、出来る限り努力はするさ。さすがに僕も病院で薬漬けにはされたくないしね)
何より僕が倒れたら、一番大変なのはシャーロットなんだ。守ると言っといて自分すら守れない人間に、どうやって他人を守ると言うんだ。僕はとりあえず安心させるためにそう言い
「...やだなぁー!流石にそんな事...ないんじゃない?流石に、流石に先生も見つけてくれるかもだし...万が一ホグワーツで行方不明者が出たらデイリープロフェットにも...載ってるはず...かもしれないし...普通に有名になるんじゃない...?多分..」
後半に続くにつれて段々と自信がなくなって、ごにょごにょと言葉を濁す。
(こっっっわ!!いやでも絶対ありそうだよね...デイリープロフェットで見ないけどもしかしたらあったかもしれないし、なかったかもしれない。そもそも何らかの事情で、何人も存在ごと記憶が消されて、そして誰も行方不明者を覚えていなかったりしたら...?それだと例え実際に居ても、最初っから誰もいなかったと同様。ならデイリープロフェットに載らないのもおかしくないし、ホグワーツの名誉も守られる。もしかしたら僕たちが知らないだけで、何百人も失踪していたという可能性が無いわけじゃないかもしれない。...色々とやばすぎて想像したくもないわ)
恐怖を感じているのを気づかせない様に平気を装い、引きつった笑顔を必死に保って傍から離れない様について行ってると、バササッ..と窓の外から黒いカラスが通り、その羽の音で考え事をしていた僕は
「ひゅぁ!?!?」
と肩を震わせれば間抜けな声をあげてしまって慌てて口を押さえた。一斉にこちらに向けてくる痛い目を見て
「ぁ、あー、大丈夫です!すんませーん!」
と謝っては、ヘラヘラと笑い
トピック検索 |