匿名さん 2022-02-20 20:09:07 |
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「誰かに親切にするっていうのは、何かを変えるためにするものじゃないです。ただ、そうあるべきだからそうするんです。」
(私にとって、「誰かに親切にする」という事は当たり前の事だった。そうするのが良い事で、私は良い人間でありたいから、誰かに親切にするのだ。自分の言葉を続けようとしたものの、キャンディを差し出されれば「どういうつもりなのだろう」と疑問に思ったけれど口にする。ふわりとフローラルで爽やかな香りが口いっぱいに溢れて、少しは冷静になることができた。)
「大丈夫です。私、まだまだですけど失敗しないように...」
(「気をつけますから」と言おうとした所で大きな音がして、すぐにそちらに目をやる。音のした所では実験用の植物がみるみるうちに大きくなっていき、蔦は意志を持ったかのようにのたうち回っている。騒ぎの中心に目を向けたまま、私は強く頷いた。)
「決して慌てず、勇気をもって、助けられる人がいるなら助けます!」
(それはもしかしたら彼女の解釈が強く反映されているかもしれない。恐怖で動けなくなっている同級生を助けるために、そちらに駆け出した。彼女に声をかけると肩を貸してやって植物から離れようとするけれど、蔦が私たちを叩き潰そうと振りかぶっているのに気がついた。同級生を支えていて、私にはすぐに最適な行動をすることができなかった。咄嗟にできたことといえば、蔦が当たらないように彼女だけでも突き飛ばして守ってあげる事だけだった。私の足元に、大きな影ができている。目前に迫った蔦にはどうしようも出来ず、ギュッと目をつむった)
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