joyfree　(　〆　)　

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戸倉さんの口から出た言葉は、全て信じていたいと思ってますけど…、表札に書いてるんすよ。ガッツリ。…とりあえず、入りますよ。


( 秒速で確認した表札には、しっかりと「戸倉」の文字。証拠なら探そうと思えばいくらでも出てくるのに、頑なに否定する彼。そんな頼れる普段の先輩とはかけ離れた、子供のような言動に心臓は高鳴りっぱなし。ゴミ袋の雪崩、室内から漂う異臭、天井で申し訳なさげに巣を張る蜘蛛たち。目の前の惨状が彼の自宅で、彼が原因で起きているという事実に、内心は今すぐ叫び出したいほど困惑していた。あの格好良くて、頼れて、ずっと尊敬していて、大好きな先輩の自宅が、ゴミ屋敷…。しかし、ここで失望するほど俺の愛は弱くなかった。ちっぽけな困惑なんて吹き飛んでしまうくらい、彼の新しい一面を発見できた喜びは大きかったらしい。こんな戸倉さん、俺以外知らないんじゃないの。ひしひし湧き出る優越感に浸りながら、ゴミ袋を避けて入室を試みる。本人曰く独身らしいし、この有様じゃ世話をしてくれる身内も居ないのだろう。＿それならば、不摂生な彼を世話して、「職場で仲の良い後輩」から、「身の回りの世話をしてくれる後輩」へランクアップ、自然と距離を縮めることができるのでは？泥酔の影響か、羞恥心からか、身体中を真っ赤に染めて俺の肩に寄りかかる彼を一瞥。ああ、我ながら名案かもしれない。守護欲が掻き立てられて、居ても立っても居られなくなったら、行動を起こすのみ。くたびれたソファに彼を座らせて、戸倉さんの懐に入り込もう作戦が開始した。 )


あの、俺全然引いたりとかしてないんで。むしろ、心配というか…俺にできることがあれば、なんでもしたいです。掃除とか、洗濯とか…飯も作りますよ！