joyfree　(　〆　)　

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( 頭が痛い。体内に多分に取り込み過ぎたアルコールのせいというのもあれど、それ以上に頭が痛いのはこの状況だ。飲み会と聞いて頭に浮かぶ単語と言えば、『接待』『面倒』そして『地獄』。普段は頼れる上司や諸先輩方も、飲みの席となれば典型的な絡み酒のおじさん達に一変する。しかし、俺もここで10年近く勤め上げた身だ。上手く躱してそこそこで引き上げる術は身に付けているし、今日だってそうするつもりだった。想定外はそこからだ。一大プロジェクトが無事終わった解放感もあってか、いつも以上に出来上がった絡み酒のおじさん達に酒の飲めない新入社員が絡まれたのだ。そろそろお開きの時間かと油断して自身で定めているキャパシティ限度ギリギリまで飲んでいた俺は、二つを天秤にかけた。頼れる先輩としての体裁を守るか、自分の人には見せられない『本性』を守るか。前者を選んだ結果、今現在このような状況に陥っている。脱ぎ散らかした服、コンビニ弁当やらカップ麺の容器が詰まったゴミ袋、その他雑多な物で溢れ返った部屋。ここ最近プロジェクトにかかりきりで忙しかったせいもあり、出そう出そうと思いながら忘れ続けたゴミ袋の山は、非情にも後輩の前で雪崩を起こした。会社で俺にキラキラと尊敬の眼差しを向けていた後輩の瞳は、今や驚愕の色だけをありありと湛えている。現実を受け止めきれないあまり、往生際悪くぽつりと否定の言葉を呟くも、財布の中の免許証と保険証にはしっかりとこの場所の住所が記されているのだった )
……、ちがう……。