門番 2022-01-22 17:59:35 |
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>49 ヴァローナ
……なあ、大丈夫か?
( 読み進めていくのを見守り、しかしあえてそれを覗き込むような真似はしなかった。何を書いているかどうかを知っていたわけではなかったが、彼女の様子からなんとなく察することはできた。きっと良からぬことが綴られていたに違いない。恋文の内容がいいものであったとしたら、ここに置いたまま古びて主を待つようなことにはならなかっただろうから。震える彼女に触れてもいいのか、どうなのか。迷った末、軽く肩に手を置いて声を掛け。踏み込む気にはなれないものの、放っておけるほど薄情でもなく。結果としてそれ以上掛けるべき言葉は見つからなくて、不器用な一言だけで終わってしまった。気にしないように窓拭きを再開するも、びゅうと吹く風に舞う木の葉の音がやけに悲しく聞こえたような気がした )
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