白む空に燻る紫煙　---〆

　





こっちもだ、ハンスで間違いない。___間違いなく黒だな。
（　相手の持ってきたノートパソコンの画面を覗き込むと、言う通りハンスの車が停まる所が映っていて。店内のカメラの映像を再生すると入店したハンスがリュックからライフルを出してから書類に何やら書き込む様子が流れる。滞在時間は15分ほど、それからすぐに戻れば職場にも規定の時間までに到着する事が出来る。今すぐにでも鑑識を叩き起こして署に招集したい所だがそれは無理な話で、一先ずは明日の朝まで待つしか無さそうだ。ようやく揺るぎない証拠に辿り着けた事に安心し深い溜め息を吐き。画面の当該の写真を撮りSDカードを袋に入れて鍵付きの引き出しにしまうと今日は解散だと相手に告げて。「…良い着眼点だった。明日にはあいつを殺人容疑で逮捕出来るはずだ。8時に鑑識を呼んである、それまでに来い。」相手の気付きが無ければ凶器の発見に至るのはまだ先の事になっていたかもしれない、その点については評価しつつ、明日で此の捜査も終わるだろうと。朝の集合時間を伝えつつパソコンを閉じると、自分も今日は帰ろうと立ち上がりコートに袖を通して。　）