刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 此方を小馬鹿にしたような、全て妄言に過ぎないと呆れているかのような返答に苛立たしげに眉根を寄せて。相手の問い掛けに一度隣に視線を向けたものの、口出しする事はせずにイスに座り直し。『一目惚れだったんです。彼女は心優しく謙虚で、いつも楽しそうに僕の話を聞いてくれた。…ローズにあの男は似合わない、嫉妬深い嫌な奴ですよ。レストランの裏で僕との関係を問い詰められて困っていました。あの男こそ犯人じゃないんですか」ハンスは今まではぐらかしていたのが嘘のように饒舌に質問に答え、話を始めた。同時にバイト先から家まで車で送ったことがあるので指紋があって当然だとも答えた。ローズが彼に優しくしたのは客だからに決まっている、それを好意と捉えたのなら執拗に迫っていたという証言も頷けるもので。---彼の話を引き出したという意味では、この取り調べは相手の方に軍配が上がる結果となった。結局この日は監視付きで彼を返し、後日再度取り調べを行う事となり。デスクに戻りイスに腰を下ろすと、溜め息を。今日で大きく捜査は動いたが証拠が足りない、凶器の特定にすら至っていない。何を見落としているのかと思考に耽っているようで。 )
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