刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 椅子に腰掛けたその動作にすら疲労感と苛立ちが滲んでいて、目下に影を落とした隈の張り付く表情を見ただけで如何に愚かな聴取だったのかを察する。4時間と言う長時間、相手の話には僅かも耳を貸さず既に“内通者”だと最初から決め付けていたと言う訳だ。つまり彼らの主な目的は刑事課フロアと言うよりも“この部屋”の捜査で、署員達の監視よりも“相手”を逮捕する事。有り得ない、と湧き上がる怒りをそのまま口にしようとした時。続けられた聞き覚えのあり過ぎる名前に思わず目を見開く事となった。彼らの言う“とある組織”とはクラークが幹部として鎮座している組織の事で、あろう事か相手をその組織の内通者だと言っているのか。「っ、何も答える必要なんてない!」と、思わず感情的に声を荒らげた。あの男に関わると最悪な事にしかならないのは既に互いに身を持って経験している事で現に今も、だ。胸の奥に渦巻く怒りを深い深呼吸で立て直し、冷静に、と自分に言い聞かせた後。「___接触はエバンズさんの意思じゃないし、そもそも疑う相手を間違えすぎてる。…逮捕なんて出来る筈がない。」と、真剣な眼差しで答えるのだが、それが甘い考えであった事は後々知る事となる。___執務室の扉がノックされ、警視正が入って来た。壁際に居るミラーを一瞥し、部屋の中を見渡し、次に相手に視線を向けると『…酷い目にあったな。』と、相手が長時間聴取室に拘束されていた事への第一声を溜め息と共に。『流石にやりすぎだ。』滲む怒りを吐き出して )
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