刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 相手が冗談を口にする事は非常に珍しいと認識していた。だからこそ双眸を瞬かせ真顔を崩さないその表情を一瞬見詰めるのだが、誰がどう聞いても褒められていない事は明白にも関わらず「…優秀でしょ?警察官としても、“番犬”としても。」態とらしく誇らしげに首を擡げて見せた後、何時かの日に“番犬”や“小型犬”の軽口を言い合った事を持ち出して。案の定怪訝な表情を浮かべた相手は、手を差し伸べてくれるどころかエスコートを一刀両断すると同時に此方を振り返る事も無く1人砂浜を進んで行く。「ちょ、!」わかってはいたが思わず非難の色を纏った音が唇から漏れ、歩きにくい砂浜を小走りで相手の後を追い。「___…どーも。」先にベンチに座った相手の手が腰掛けるすぐ横の砂を払ったのを見て、素直さの欠片を失った不貞腐れた様なお礼が出た。勿論本気で不貞腐れた訳でもなければ機嫌を損ねた訳でも無い。更に言えばその細やか行為に照れた訳でも無い。これもまた遣り取りを勝手に楽しむ軽口に似た態とらしい態度だ。だからこそ隣に腰掛けた時にはすっかり表情は穏やかなそれに戻っており、鞄の中から2つのスープジャーを取り出すと、片方を相手に手渡しつつ「暖まるよ。」と、一言。頭を前に戻し、太陽の光を浴びながら寄せては返す穏やかな波を、遠い水平線を見詰めて )
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