刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( あれ程鮮明に見えた“犯人の顔”は、自分の生み出した幻影_____実際あの場に居たのは無関係の男で、当然犯人が生きている筈も無い。頭では理解できるのに、犯人が通りすがりに此方を嘲笑したあの瞬間が脳裏には焼き付いて居て、幻覚を見たのだと言われても未だに整理が付かないというのが正直な所だった。---相手が提示した選択肢は2つ。入院して治療を受ければ身体が楽になるのは間違いないのだが、1人病室に居る時間が苦手だった。整然とした病室で何もせずベッドの上で過ごすのは余りに無力な自分を思い知らされ、“自分だけ楽になる”事への心苦しさに苛まれる瞬間がある_____後者は“あの男”に植え付けられた余計な感情なのだが。しかし、これ迄の状態を思うと家で過ごす事への不安もあった。「……出来るなら、家で療養したい。ただ、…いつもの薬だけで過ごすのは心許ない、」点滴による処置などを直ぐに受けられる病院と違い、家では体調を崩しても直ぐには対処できない。今の体調を思えば病院ではない場所で、それでいてある程度医療の体制が整った状況、或いは追加の薬を処方して貰って過ごせれば其れが最善なのだが、それは我儘と見做されるだろうか。 )
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