刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 背後から羽交締めにされるようにして男から引き離されたのだが、胸の内に生まれた激しい怒りは直ぐに落ち着く事はなかった。「______っ、離せ!あいつの所為でセシリアは…!」あの男だけは自分の手で制裁を下してやらないと気が済まないのだと、自分を抑えているスミス捜査官の腕を振り解こうとする。ただ怒りと憎しみの衝動に突き動かされ、周りなど見えていなかった。しかしまた不安定に視界が揺らいだ事で動きが緩み、再びエレベーターの方に居る男と視線が重なった時、犯人とは全く似ても似つかないその顔に思わず言葉を失い動きも止まる。確かに、今の今まであの事件の犯人が目の前に居て、此方を嘲笑したではないか。けれど目の前に広がる光景は、ほんの数十秒前まで自分が見ていた物とは全く違っていた。口の端が切れ怯えたような表情を向ける男と、不安そうに此方の様子を伺う幾つもの視線。理解が追い付かず、一体何が起こっているのかと半ば放心状態で廊下に座り込んだままで居たものの碌な栄養を摂っていない中で暴れた事による反動だろう。突然意識が遠退くのを感じ、誰かの別の悲鳴を聞いたのを最後に意識は途絶えていて。 )
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