刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 雨風が窓を揺らす音が絶えず大きく響く事で、漠然とした不安のようなものが胸の内に広がっているのを感じていた。目を覚ましベッドに身体を起こすと、少しして相手に促されるままに一度リビングへと。手渡されたマグカップからは柔らかく甘い香りが漂い、包んだ掌に伝わる温もりと共に気分を落ち着けてくれるのだが。少し冷ますように息を吹きかけてからゆっくりと飲んだホットミルク______それが胃に落ちるよりも前に感じたのは“苦味”だった。思わず反射的にマグカップを口から離す。見た目と、香りと、味と、全てが乖離している状況が飲み込めず隣の相手を見遣ると、何かあったのかとばかりに不思議そうな表情を浮かべて此方を見る相手と目が合った。相手も確かに同じホットミルクを、今此処で口にしていた。普段であればまろやかな甘みと共に落ち着きと眠気を運んでくるはずのホットミルクは、どういう訳か“鋭い苦味を持った温かい液体”に成り下がっていた。「……作り方を変えたのか、?」と、仮にそうだったとしても此の味になる筈がないと思いながらも相手に聞かずにはいられなかった。 )
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