刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 睡眠薬は深い眠りをもたらした。夢を見るよりももっと深い場所に沈んで眠っているような、遠くで何かの夢を見ているような、そんな感覚だけがあったが内容までははっきりと認識できない。いつもは睡眠薬を飲んでも悪夢を見て眠りから引き摺り出される事が多々あったが、今は落ち着いているようだった。---鎮静剤によって抑えられていた物が、その抑えを押し退けて浮かび上がろうとしているかのうように遠かった夢がやがて少しずつ鮮明になり、”何の夢か“に気付きそうになった事で目が覚める。少し呼吸が上擦り鼓動が速くなっていた。未だ外は暗く遠くの空が青みを帯び始めた夜明け前。相手が隣で小さく寝息を立てているのを見ると、音を立てないようにそっとベッドを抜け出してキッチンへと向かって。無理をしていたにも関わらず此の所体調が落ち着いていたのは、間違いなく鎮静剤のお陰だろう。副作用も少なく効果が緩やかだと言って処方された薬だが、あくまで一時的な対処法。この薬も長く連続服用する事は出来ず、楽だからと言って大量に処方して貰える物でもない。そして其の鎮静剤の効果が切れかけている事で、身体の不調や夢見の悪さが程なく戻って来る事も感じていた。其れが怖くて、少しでも長く安寧の中に居たくて、睡眠薬をもう一錠飲みベッドに戻る。やがて少しずつ微睡み始め、相手が目を覚ます朝になっても身体を丸め眠り込んでいて。 )
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