刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 己はもう捜査1つ請け負った事の無い新人さながらの捜査官では無い。まだまだ未熟な面は多々あり日々反省の毎日ではあるがそれなりに経験も積んだし、様々な人や事件とも向き合って来た。相手が居なければ何も出来ない、なんて甘えは許されない筈だと言うのはわかっているが、一度相手の儚さに触れてしまった心はその恐怖を直ぐ様思い出す様になってしまっていたのだ。悪夢に魘され苦しんだ夜が明け空が白み始めた頃、漸く発作が落ち着いた相手の瞳に大きな疲労と空虚な色が宿っているのを何度も見た。眩しい程の月明かりの下、その光を集めた碧眼が切なそうな、寂しそうな色を宿したのも何度も見た。何時か__何かのタイミングで、居なくなってしまうのでないかと言う漠然とした不安が付き纏い続けていた。相手が返した言葉は何時も通りの色を纏ったもので、表情もまた見慣れた呆れ顔。「何それ。私の事ストーカーか何かだと思ってるの?」と、じっとりとした瞳を一瞬向けたがその口元には明らかな安堵を宿した笑みが浮かび。___仕事を終えた相手と共に署を出たのは30分程が経ってから。帰宅後、部屋着に着替えソファに座る相手を一瞥し寝室に行くと、戸棚の引き出しの奥から一つの鍵を持って戻って来る。「…エバンズさん、これ。」それを相手に差し出しながら「この部屋の予備の鍵、持ってて。私が仕事でも自由に外に出られるように。」鍵を渡す理由を説明しつつ、軽くはにかんで見せて )
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