刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 突然背後から自分の名前を呼ぶ声が響いて振り返ると、鞄を手にした相手の姿。つい先程、執務室を出た時には未だデスクに居たはずの相手がもう”帰る頃になった“と言って此処に居るのだから可笑しな話だ。自分に合わせて無理に急がなくて良いと伝えようとしたものの、付き合えと言われては其の言葉も飲み込み、ややして大人しく助手席へと乗り込んで。---車は町を抜け静かな道へと入り、やがて暗がりの中でも緑が目立つようになる。軽く倒した背もたれに身体を預け、何を語るでもなくぼんやりと車窓へと視線を送り、見覚えのある道だと気付いたのは随分と目的地に近付いてからだった。エンジンを切り静けさと波音ばかりが響くこの場所で徐に向けられた提案には「…普通着いてから言う事じゃないだろう、」と呆れたようにひと言告げたものの、その提案自体を無碍にする事はしない。帰ると言う事はせず、車内から海を眺められれば良いのか、或いは波打ち際の方まで行きたいのかと視線で相手に問い。 )
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