刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 主治医の想定通り、鎮静剤を服用する事で体調は改善したと言えるだろう。この事件の捜査を始めてから大小こそあれど1日に何度も発作を起こすようになっていて、何が其の引き金になるかも分からなかった。けれど今は其の不安定さはない。正しい処置なのだろうと分かって居ながらも苛立ちを拭い切れないのは、今の状態があまりに自分の“理想”とかけ離れているからだろうか。真剣に向き合い解決しなければならない、被害者の無念を晴らさなければならないと何よりも強く願っているのに捜査の進展は遅く、自分の思考も追い付いていない。焦りばかりが先行して、自分の感情をコントロール出来ていないのだと少し冷静になれば分かるのだが。苛立ちを抑えられず集中力も持続していない今の状態で署に留まっても良い事はないと見切りを付け、仕事は持ち帰ろうと、普段よりも早い時間に執務室を出た。相手のスマートフォンに「帰る頃に連絡をくれ」とメッセージを入れたのは、相手が家に戻る時間まで別の場所で時間を潰そうと思ったから。未だ署員達もまばらに残っている時間帯、執務室の明かりが消えた事に驚きと少しの安堵が入り混じった表情で目配せをする者も居ただろう。 )
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