刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
|
通報 |
アダムス医師
( 相手の返事に再び考え込む事数十秒。『__痛みが出た時に飲む錠剤をこれ以上強める事は出来ませんが、点滴と言う手段があります。フラッシュバックや発作を起きなくさせる効果は勿論無いですし、そこから引き起こされる痛みを全て抑えてくれる訳でも無い。ただ、慢性的な痛みはかなり軽減出来て、錠剤よりも持続時間が長いのは間違い無い。』と、相手の望む今より強い鎮静剤を出す代わりの提案をしつつも、『ですが、その時の体調や免疫力の低下具合などで、点滴後に副作用が出る事もあります。30分程は万が一に備えて処置室に居てもらうのが絶対条件になりますが、』点滴を終えたからと言って直ぐに帰す事は出来ず、全ての時間を合わせれば結果的に1時間近くは自由を拘束する事に繋がると。『朝が難しい時は、夜の診察が終わった後でも構いません。勿論これは特例なので、口外されるのは困りますが__こうでも言わなければ病院に来る事は疎か、鎮痛剤の過剰摂取をされる可能性も0では無さそうですからね。』相手の仕事上、病院の診察時間に合わせられない事があるのは理解出来る。ただの医師と患者と言う関係で、相手だけを特別に扱う事は本来出来ないしやってはいけないのだが、相手の性格を思えば致し方ないと、結果的に甘い選択肢を、珍しく態とらしい表情と皮肉で投げて。___話が居なくなったミラーの調子に移れば再び表情は医師のそれに戻る。彼女の共感性の高さは何度か顔を合わせ話をする中で感じていて、相手が懸念する理由もわかるのだが。『確かに貴方が苦しむ姿を見る事で、同じ様に心を痛めるのは間違い無いでしょう。近くに居る貴方が一番わかっている通り、彼女は優しい女性ですからね。…けれど、見えない所で貴方が苦しんでいるのではないかと常に不安に思う事もまた、ミラーさんにとっては心を大きく磨り減らす事に繋がるのではないでしょうか。一概に何方が良いかを選ぶ事は出来ないですが、あくまでいち医者が客観的に見た意見を言うのならば…距離を置き過ぎるべきでは無いと思います。』相手がワシントンに居た約2年程、相手を想い電話を掛けて来たあの時のミラーの不安そうに揺れる声は未だに覚えている。お互いの心の為に、取り返しが付かない程に離れる決断をするのは避けるべきだと。けれど相手同様にこの先起きる事を知る由もないからこそのアドバイスだった。まさか当たり前に相手の近くに居たミラーが__緑の瞳が、恐怖の、拒絶の、過去を甦らせる切っ掛けになるなんて。相手が拘束時間を許可し、時間外の診察と処置を望むのならば、その日からどうにか点滴や安定剤でやり過ごす日々を送る事になるのだが、やがてその点滴や処方する薬の全てが効かなくなる程に強く重たいストレスが相手の身体にも心にも伸し掛る事となるのもそう遠くない話で )
| トピック検索 |