刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 扉が開いた事で僅かに身構えたものの入って来たのは捜査に出ていた相手だった。目元を覆い、押さえ付けるようにゆっくりと呼吸を繰り返す。「…朝、2錠飲んだきりだ、」決められた量を決められた時間に飲んだ以外は服用していないと答えて。---不意に、外で救急車のサイレンの音が響いた。署の近くの道を通過しただけ、それだけの事だったが不安定な今はその音が記憶に直結してしまった。自分がどうする事も出来ずに血の海に立ち尽くす中、要請を受けて現場に急行したのであろうパトカーや救急車のサイレンの音が、遠くで幾つも響いていたのだ。その光景が鮮明にフラッシュバックし、喉の奥が詰まるような閉塞感を覚えた。その時に感じた恐怖が、絶望が、血の色と共に押し寄せる。「_____っ、は…ッあ、……っ、」目元を覆ったまま、途端に不規則になった呼吸は肺に酸素を届けない。鳩尾の痛みが強まり、ワイシャツを握りしめたまま意味を為さなくなった呼吸を喘ぐように繰り返すこととなり。 )
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