刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( ___何時眠りに堕ちたのかはわからなかった。頬撫でられた事も、布団を掛けられた事も、相手が寝室を出て行った事にも気が付かず眠っていたのだがその眠りは決して穏やかなものでは無く。右も左も、上も下も真っ暗な闇の中でたった1人相手がその場に蹲って居るのだ。顔は見えずとも震える背中と漏れる嗚咽で泣いている事はわかる。傍に寄り背中を擦りたいのにその足は僅かも動かず「エバンズさん」と唇は動くのにその名前が音になり相手に届く事は無い。相手はたった1人で泣き続けて居る。__ふ、と意識が浮上した時既に部屋の中は夜中の様な暗がりに染まってはいなかった。隣に相手は居らず、目の奥が重たい様な感覚に一度眉間を軽く解してから静かにベッドを降りて寝室を出。相手はあの日の満月の夜の時と同じく部屋に背を向ける形でベランダに居た。漂う紫煙は直ぐに風に乗り形を崩す。__朝が、来なければ良いのにと一瞬思ってしまった。悪夢に魘される夜が続けと言う事では無い、ただ、朝が来てしまえば相手は再び心身に鞭を打ち苦しみを背負いながら捜査を続けるのだから。今度はあの日の様に勢い良く開け放つ事無く静かにベランダに続く窓を開ける。朝の冷たい風が吹き抜け身体に纏わりつく感覚の中、伸ばした手は相手の腕へ。隣に立ち、煙草の煙の香りに混じりボディーソープの香りが鼻腔を擽れば「__風邪ひくよ。」と、小さく声を掛け身長差のある相手を見上げ。その表情は柔らかく穏やかな笑みなれど、何処か切なさも滲んでいて )
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