刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 相手が泣いている事に気付いたものの、思い出した過去の出来事について語るだけの体力は残っていなかった。ただ相手が己の腕を握る仄かな体温を感じ小さな嗚咽を聞きながら、気を失うようにして意識を手放していた。---発作が長く続いた事による疲労の所為だろう。皮肉にも齎された眠りは深いもので、明け方まで目を覚ます事はなかった。明け方、空が青みを帯びて白み始めた頃になって目を覚ますと、身体の重さを感じて深く息を吐き出す。たった1日で、かなり無理をして捜査を進めた時と同じような______自分自身で身体の不調を自覚する程に、影響を受けている事を思い知らされて。自分の直ぐ隣で布団も掛けずに寄り添うように眠っていた相手の頬に涙の跡が残っている事に気付くと、指の腹でその跡を拭うように頬を撫でる。布団を相手に掛けた後、静かに起き上がるとシャワーを浴びてじっとりと身体にかいていた汗を流して。リビングに戻ると、煙草を取り出してベランダに出る。アンナの事件捜査には関わらないと言ってしまえば楽なのだろうが、どうしてもそれは出来なかった。深い溜息と共に煙を吐き出すと、風に攫われた其れは静かに紺碧の空に溶けて。 )
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