刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
|
通報 |
( スッキリと食べられる果物なり、喉通りの良いゼリーなり、何でも良いから本当なら一口でも食べて欲しい所なのだが、相手はそれを拒否し薬だけを水で押し込む様にして胃へと落とした。そうして何かを続ける事もせずにまるで此方との間に壁でも作るかの様にして背を向け布団に潜り込むのだ。__相手が“背を向ける”理由を僅かも察する事が出来ない程、“思い出す事が出来ない”程、長い長い年月が経った訳では無い。己に対して何か後ろめたい事がある時や居心地が悪い時に相手はこうして背を向けたり目を閉じてしまう。それからもう1つ。“自分自身を許せない時”。今回は間違い無く後者だろう。ワシントンで刑事じゃなくなった事も、此方で刑事に戻れたとは言え非常勤からの様子見である事も、身体の痛みも、ショッピングモールでの出来事に感情を揺さぶられた事も、そうして現状の熱も。相手からすればきっと起きたその何もかもが自分の“弱さ”で、それが許せなくて、元に戻りたいのに上手くいかないもどかしさに襲われ、それもまた“弱さ”なのだと抜け出す事の出来ない茨の覆う深い森の中を彷徨って居る。焦らなくて良いのに、誰もが皆弱い部分を持って居て当たり前なのに。けれど人一倍正義感が強く“贖罪”の為に立ち続ける相手はきっと納得はしないのだろう。己からしてみれば“今の相手”こそが弱さとは全く反対の“強さ”なのだが。それをこの場で言った所で皮肉にしか捉えられ無いと思うからこそ長々と言葉を連ねる事はせず、けれど小さく上下する肩付近の布団に軽く手を乗せ「__これだけは覚えていて。何であれ、この先エバンズさんの居場所が無くなる事だけは絶対に無い。」静かに紡ぐのは相手の抱えるやるせなさを払拭出来る言葉では無いだろう。けれど、奥底にきっとある不安をほんの僅かで良い、包み込みたかった。そのまま静かに擦る様に掌を動かして )
| トピック検索 |