刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( __何時だってそうだ。“残った者”に悪意ある矛先は向けられる。例えそれが本来罰せられるべき相手じゃなくとも。大抵の場合自分は無実なのだと訴えるかそんな声も届かない場所に逃げてしまうだろう、けれどエバンズはまるで全ての棘のある言葉を被り、悪だと罵られる事を受け入れ、あまつさえ自身の罪だと心を痛める。相手の言う通り悪いのは犯人ただ1人だと言うのに。__電話口から聞こえる相手の言葉の端々に確かな怒りが滲んでいるのを感じ、心が共鳴する。スマートフォンを握る指先に僅かに力が篭もり爪の先がうっすらと白くなった。「私も同じ気持ちです。本来恨まれるのはエバンズさんじゃない。…身体や心を壊してまで耐える必要なんて、背負う必要なんて何処にも無い筈なのに、__逃げたって、本当は良い筈なんです。」声が震え、一瞬息が喉に引っ掛かったのを1つの深い深呼吸で立て直す。それから2、3深呼吸を続け、最後に力の篭っていた指先が緩んだ時、諭された言葉もまたすんなりと心に届いた。そして相手の思いも。だからこそ緑の虹彩には強い覚悟が灯る。「1日も早く犯人を見付けて逮捕します。…エバンズさんが此処に戻って来れるように__彼の中にある恐怖に私が少しでも関わっているのなら、ちゃんと排除したい。」犯人を逮捕する事、そうしてもう1つ。心にひっそりと決めた覚悟がある。「私がエバンズさんに見せた覚悟は、“傷付いても構わない”って言う自己犠牲だったんです。でも、その覚悟はエバンズさんをただ不安にさせて、余計な恐怖を生むだけだって気付きました。…独り善がりな“大丈夫”では、救えない事……気が付くのが遅いですね。」少しだけ自嘲気味た、けれど決して折れたりネガティブになった訳では無いのは揺るがない口調が物語るだろう )
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