刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
通報 |
( 誰も事件の事など知らない場所で静かに暮らしたいと思わない訳では無かったが、それは罪から逃げる事だとも感じていた。結局根底には罪の意識がこびり付いて居て、それが楽になる事を_____過去の記憶から解放される事を赦さない。周りの誰でもなく、自分で自分を許せないからこそ苦しみ続けているのかもしれない。今回の件も、声を大にしてあの証言は嘘だと反論し、弁護士を雇って戦う事も出来たがそこまでしようとは思えなかったのだ。当然ながら外出を許可される事はなく、この場所で一人無意味な時間を過ごす事に対してやるせない気持ちを抱えるも、医師の決定に食い下がる事はしなかった。「……休みの申請をしておく、」とだけ答えたのは、入院をする意思があるという事。同時に、今刑事として働く意義を見失っているという事でもあった。---警視正の元には、午前中の内にエバンズから明日以降休みを貰いたい旨のメールが届いていた。自己都合による休みで復帰に数週間を要する可能性もあるため有休消化が難しければ休職の扱いでも構わないと。事件から12年、本人が想定した通りレイクウッド署の前には大勢の記者が集まりエバンズの姿を探していたが、出勤している様子がない事に気付き逃げたのかと不満を露わにする記者も居た。メールに詳細は書かれて居なかったが、体調を崩したのは明らかでメールを開いたままやるせなさから深い溜息を吐き。 )
トピック検索 |