刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 相手の表情からも、声色からも、本当に残念だと言う事が伝わって来て疑っていた訳では勿論無いが本気で己を引き抜こうとしていた事が伺える。後悔はしていないが申し訳なさは膨らむもので「…本当にごめんなさい。」と、眉下げた謝罪をするが、どうやら相手は一度や二度で諦めるタイプでは無かったらしい。先の話を含ませた冗談めかした言葉と共に名刺を渡されると、少しばかりしんみりとした様に感じられた空気が一瞬にして晴れたのを感じ思わず笑みが溢れ「此処が好きだけど、私も警察官だから昇進に全く興味が無い訳じゃないんです。」と、此方もまた冗談めかした返事をし名刺を受け取り__それを名刺入れに入れる為鞄を開けて、そこで漸く財布が無い事に気が付いた。「え、」と漏れた声の後に中を探すが矢張り見当たらない。一先ず目的の名刺入れの中に受け取った名刺を挟み、考える事数秒。パブに来る前にどうしても缶コーヒーが飲みたくなり休憩室の自販機で買った時に財布を出した。そして自席に戻り、それを鞄では無くデスクに置いたのだ。それからアシュリーに急かされ__「…すみませんフォックスさん、財布を署に置いてきちゃったみたいでちょっと取りに行って来ます。」間違いなくデスクの上だと確信すると、隣の相手に苦笑いと共に一度署に戻る事を伝え、「直ぐ戻ります。」と頭を下げ席を立ち署に向かうべくパブを出て )
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