刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 返って来た言葉は此方が望んでいたもの。こんな夜中に泥酔状態で押し掛け、タクシーを呼ぶとの申し出にも首を横に振り居座りを決め込んで居るのに僅かも怒ってない筈は無いのだが、怒りや呆れの感情の違いを読み取れる状態では無い。ただただ返って来た言葉のみを受け取り「ふふ」と控え目ながら嬉しそうに笑って。相手が隣に腰掛けた事で僅かに沈んだスプリング。その極僅かな縦揺れに一瞬くらりとした目眩を覚えて隣を見る。見慣れている筈なのに紅茶一つ飲むその姿すらも美しく思うのはお酒のせいか。__伏せられた長い睫毛の奥にまるで宝物を見付けた様な気持ちになったのは、相手の褪せたブルーの瞳がやけに眩しく見えたから。合わさっていた唇が僅かに開き、正しく“見惚れている”状態で相手を見詰める事数秒。「……、…」ソファに手を付き徐に身を乗り出すと、あろう事か無言で相手の手からマグカップを取りそれをテーブルに起き。その行動は止まる事を知らない。縫い付けられた様にブルーの瞳から視線を逸らさぬまま、右膝を相手の開かれた足の間に、左膝を相手の右足の横に付き腰こそ下ろさぬが跨ぐ形を取る。両手は相手の頬に、整ったその顔を僅かに持ち上げる事で相変わらず言葉は発する事無く、ただ、熱に浮かされた僅かに潤む瞳で、相手の瞳をもっと近くで見詰めたいのだと強請るように親指の腹でその目元を緩く撫でて )
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