刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 律儀な夜の挨拶に対して同じものが返って来る事は当然の如く皆無な訳で、温度差の違う緑と碧とが交わる長い沈黙の後に漸く落とされた言葉には「一日の最後にエバンズさんに会えたら、それはとっても素敵な事だなって思ったんです。だから来ちゃいました。」普段捜査の時以外2人で居る時には使う事の無い敬語で、更にはお酒が回っているせいか普段よりもゆっくりとしたテンポでそう静かに語る。そうして言葉の終わりに相手と会えた事が本当に嬉しいのだとばかりにはにかんで見せるのだが__扉が開いた所までは良かったがどうやら相手は再び己をタクシーに戻す事を決めているらしい。玄関へと足を踏み入れ、扉の閉まる音を聞き届けてから、それはゴメンだとばかりに緩く首を振ると、「私はタクシーの運転手さんに、自宅じゃなくて此処の住所を伝えたの。」と、返す。暗にちゃんと自宅に戻る事も出来たが自分の意思で此処を選んだのだと言っている事に繋がるのだが、そこは矢張り酔っ払い。こんな夜遅くに約束も無く突然訪れる迷惑は今の所何処かへすっ飛んでいて。断固として家には帰りません、とばかりに相手の横を通り過ぎリビングに入るや否や、何度も座り慣れているソファへと静かに腰を下ろし満足そうな溜め息を吐き出して )
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