名無しさん 2022-01-13 17:50:57 |
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……ねぇ、大丈夫?ねえってば……
( 身が忘れる暇もなく先程と同じような力が首へと働けば、やたらと今日は目につく蛍光の街と不釣り合いな白衣がひらりと舞い強く抱きしめられた事により此れから起こる事象が穏やかではない事を瞬時に察し。それと同時に耳を引き裂くような爆音を文字通り全身に駆け巡らせれば子供が怯える悪魔の舌のように凄まじい唸りを上げる焔を瞳へと焼き付け。反射的に鉄腕の指をつきたて地面へと留まろうとするも、虚しく宙へと身体は浮かび小さな悲鳴と共に背中へと衝撃が走った。その場へとずるりと落下し、焦げたにおいに顔を顰めれば肺に入った煙を追い出そうと地面へとえずく。水のように鋭く伝う痛みに堪えるようにうめきながらも体を起こせば、不安と焦燥滲む年相応の弱々しい声で返事を待ち。これだけの大きな爆発が起きればそれを目印に味方敵共に此方へと向かってくるのは必然だろう。自身も相手も敵と面張って対応できる状態ではないのは明白であり、ならば此処に留まり応援を待った方が安全であり確実である。「 本部に至急応援を要請して頂戴、追跡は一旦中止する。」暫くすれば一人、近くにいたのか爆発の音を聞いて駆けつけた女の捜査官にそう命じ。……突然の事態に対応しきれていない脳味噌のリソースを状況の把握に使ったからか、はたまた精神の脆さ故か背後に佇む捜査官が此方へと拳銃を構えた事には気づけなかった。事態の異変を感じた瞬間、容赦なく薬莢が落ちる音と共に自身の右胸を鈍い鉄と痛みが貫く。その場へと崩れ落ち遮断される寸前の意識の中、実装されていないはずの光学迷彩の技術だろうか、必死に捉えたのは捜査官の顔が光の点滅を伴い今回追っていた目的__例の男を刺殺したアンドロイドの顔へと変化した。 )
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