たったひとり、慕わしい人　〆

( / 承知しました、ではこのまま開始させていただきますね！
放課後、拙宅の娘が一方的に待ち伏せしているシーンから開始させていただこうと思いますが、もし絡みづらいようでしたら、もう一度絡み文を出させていただきますので……！ 改めて、お相手よろしくお願いします。)




( 放課後の玄関口。下校する生徒が次々と目の前を通り過ぎて行く中、自分は下駄箱を背にしてその場に佇み、目的の人物が現れるのを待ち続けていた。──そうして暫くして、待ち望んでいた人物が漸く目に入った途端、たちまち華やぐような笑みが溢れ、心の赴くまま彼女のもとへ数歩、歩み寄り。相手を捉えるその瞳には、思慕の念がなみなみと湛えられ、やんわりと物柔らかに弧を描いた唇からは、意識せずとも自然と甘やかな声音が溢れていて。)

　せーんぱい、今お帰りですか？ よければご一緒しても？　そうだ、丘子と駅前のカフェに行きましょう。あそこの新作のケーキ、とびきり美味しいんですから。

( 実際には相手を待ち伏せしていたという素振りをおくびにも出さず、白々しくもそう話を切り出し。いじらしさを装うように後ろ手に手を組みながら首を傾げると、にっこりと人好きのする笑みを浮かべて )