主(賢さG) 2021-12-15 19:00:34 |
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…うん、大丈夫…
次は…さっきよりも上手く出来るから…。
( 再びスタート位置につくと、彼女に対して小声でそう呟く。この蹄鉄を着けている時は、このグラウンドは普通じゃなくなる。今から走るこの場所はまるで雨の日の重馬場の様、スピードの維持が困難になりスタミナも普通より多く奪われる。この状況下では彼女に追い付くのは悔しいが不可能だろう。ならば自分の走りを最初から最後まで貫くことだけに集中する。そしてスタートの合図を出した3秒後に走り出す。蹄鉄の効果は既に知っている為、スタートから序盤は順調に走ることが出来た。しかし中盤、やはりと言った様に彼女の距離もここから離れていく。でも今は違う、あの背中を追い掛けてはならない。圧倒的な差を前にされても、動じてはならない。ただ己の走りを完遂させることのみを頭に走る。さっきよりも順調に走れている、体力も無駄な消費はされていない。このまま終盤、彼女はもっと先で走っている。今は追い付けない、今の私じゃ敵わない。「…でもいつか、必ず──ッ!」ゴール目前、蹄鉄の重さに抗いながらも一気にスパートをかけて突き進み、最後まで速度を落とさずにゴールすることが出来た )
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