主(賢さG) 2021-12-15 19:00:34 |
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ふむ…これは…
(いよいよ彼女の出走順がやってきてレースは始まる。これまでの自主トレで見せていたようながむしゃらな走りは鳴りを潜め、スタートから落ち着いて見える。しかし、走り自体は安定しているのだが自分が初めて見た時のような狂気とも思える切れ味が見られない、今のままではそれなりにいい走りをするというだけの特徴のないウマ娘に過ぎない「どこで仕掛ける…そこでは遅過ぎるだろう……いや、これは…!」中盤を超えて未だに後方、ようやくスピードを上げ始める彼女だったが、自分がこれまで見てきて得たデータを元に脳内でシミュレーションしてみる限りここから彼女が理想に近い走りをしたとしても先頭のウマ娘に食らいつけるかというと中々に厳しいものを感じていると、不意に周囲の空気が重たくなった気がして、それと同時にこれまでの自分の予測を超える加速を彼女が見せ始め背筋がゾクっとして「…想像以上の仕上がりだ…かくも恐ろしい本性をまだ隠していたとはな」一人、また一人と前方を走るウマ娘たちを黒い影に飲み込んでいくかのような、そんな気迫に満ちた走りを見せる彼女に観客達はどよめき、自身もまた彼女に対し初めておぞましさを覚えると、口角が上がるのが我慢できずにいて。終わってみれば三バ身の差という圧倒的なレース結果、見込み通り…いや、それ以上の力の片鱗を見せつけた彼女の元へと早速向かうが、やはりあれだけの走りを見せた後とあってスカウトに躍起になるトレーナー達にすっかり囲まれてしまっていて。とはいえ彼女がこの場にいる他のトレーナー達のことを選ぶとは思えなかったため人の輪から少しだけ外れた場所でこの状況が落ち着くのを待っていて)
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