Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(面と向かってお礼を言われるのもまた恥ずかしいもので、素直に返事をすることは出来ずにグラスの中身を煽った。迂闊にその柔らかな微笑みを直視出来ないのは、恐らく天使の微笑みが悪魔には神聖すぎるものだからだろう。)
…お前も悪知恵が働くようになったな、レイモンド。
上の連中は優秀な天使様がまさか悪魔とつるんでいるとは、夢にも思わないだろうな。
(相手の言葉を聞いて愉快そうに笑うと相手と視線を絡ませてニヤリと笑みを浮かべる。仕事を完璧にこなすことで上からの監視を掻い潜っているというのだから、それを悪知恵と言うかは別として相手もなかなかやり手のようだ。
仕事を的確にこなす優秀な天使が天界の目の届かない所で悪魔と親しくしているなどとは、誰も想像さえしないのだろうと思うと愉快なもので。
酒が進みボトルの中身が半分を切る頃には、普段から血色の良い相手の白い肌はすっかり熱っぽく染まっていた。相手の手にしたグラスを取り上げテーブルに置き一旦制止すると、頬に自分の手の甲を触れさせた。)
___レイ、一旦ストップだ。
少し飲み過ぎだな、お前は酒に強い方じゃないだろ。
今に顔から湯気が出るぞ。
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