Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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( 此方を見下ろし目を丸くしたかと思えば、次に聞こえてきたのはそれはそれは不服そうな声音で。それを聞けば、立ち上がるべくゆっくり腰を上げながら“悪かったよ”と小さく笑った。
1人放ったらかしにされていたのが余程寂しかったと見受けられるが、それを言うときっと反発されるだろうから口には出さず、ただただ嬉しそうに口元を綻ばせる。
そして、あれよあれよとソファへ引き上げられると、そのまま相手の隣に腰を下ろして一息つく。
こうやって彼の隣に座ると、忙しなかった気持ちが一気に落ち着く様な気がして心地よい。)
……あぁ、ありがとう。
ずっと菓子も食べていなかったから嬉しいよ。
ココアも頂こうかな。
( 先程の不満げな声音とはうってかわり、此方を気遣ってくれるようにケーキやらココアを勧めてくれる相手を見ると、もう一度笑って返事をした。仕事中は大好きなお菓子を嗜む時間さえ惜しかったし、ここは素直に甘んじることにしたらしい。
寄せられたケーキに目をやると、明らかに彼が食べていた痕跡があるが、もはやそれも気にもせず突き刺さったフォークを手に取り一口頬張る。
久しぶりに食べる甘味が口いっぱいに広がると、更に表情が溶けたように笑みを浮かべて「美味しい……」と呟いた。)
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